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2月12日に開かれた三番瀬円卓会議のもとの「専門家会議」では、円卓会議の依頼に基づき、「再生の概念」、「検討の範囲」、それに計画の検討に必要な資料など、初会合としての基本的な事柄がテーマとなった。
おもな論議を再現してみると――(発言者の敬称は略)
◇再生の概念について
佐々木「最近三番瀬はさらに悪化しているという漁業者からの声がある。それはどうしてか、わかったいる方がいい。そのため、要因の解明をした方がいい。会議と併行して調査をした方がいいのではないか」
風呂田「修復にしろ再生にしろ、そううまくはいかない、そう簡単にはいかないと思う。リスクもある。この再生の検討で、どういう経験をしていくか、どういうプロセスをしていくかが、一番大きな問題だと思う。行政も一般
市民も無期限的に継続していいかなければならないと思う。そこでどういう形で人材育成していくか、そうしないと財産にはならない」
倉阪「海という自然環境の再生なのか、それとも三番瀬の地域の再生なのか、と思う。地域の再生となると、三番瀬を使っている人の再生も必要じゃないか」
大西「再生とは、昔いい時代だった所に戻る。三番瀬が昔に戻るのは難しいので、新しい姿をめざすことではないかと思っている。その場合はテーマが広くなってきる。東京湾全体や陸地もそうなる。同時に今回の問題に絞り込んだテーマで討議していくことも必要である。埋立しないということであれば、猫実川のヘドロも残っている。これも議論がある」
細川「三番瀬はいろいろ痛みつけられた海で、ゆがんでおかしくなっている海である。再生とは、今より少しいい方向に持っていくということではないか。今の海域でいろいろメカニズムがある中で、もう少し素直な、自然な形に持っていく。似たような生態系なのだから、少しいい方向に持っていくのが再生ではないかと思う」
磯部「円卓会議でも出ているが、今の環境が他の海と劣るものではない。漁業関係からは年々悪くなっているという声がある。再生という概念だが、創造、修復、増強、保存ということがあり、今でも機能しているが、これからはその機能、働きを強くしていくという増強ではないかと思う。それではどんな所を増強していけばいいのかで、意見を出してもらいたい」
佐々木「アサリや生物がとれるようになるのが、再生ではないか。猫実川は解決できると思う。それ以外に有害物質なんかもあると思う。これは三番瀬だけでは解決できない」
磯部「具体的な解決群についてはどうですか」
風呂田「豊かな生物群があり、それを学習に利用できるようにする。陸上の問題が整理されていない、例えば第2湾岸とか、外環などをどうするのか。また、一番大きな市川港や市川航路には、洪水時に江戸川放水路から土砂や生き物が流れてくる。これらついて行政がどういうビジョンを持っているのか、県や国は情報を示していない」
岡島「県に対してはこちらからどんどん押していった方がいいのでは。こうした方がいい、ああした方がいいなどと言うべきである」
風呂田「一番大事なのは、パートナーシップだと思う。でき上がったものを知事が県議会にかけるのための案をつくるのだから。しかし、漁協の借り入れ金の問題などもある」
磯部「行政がどう対応していくのか、これから円卓会議で検討するということと思う」
◇検討の範囲について
倉阪「中心は三番瀬だと思う。でも、地域全体の後背地の土地利用をどうするか、港湾としての利用をどうするかなど範囲は広くなる」
佐々木「猫実川、江戸川など、三番瀬に注ぎ込む川の範囲まで広がると思う」
風呂田「江戸川放水路から市川航路、三番瀬と、流れ込んだ生き物がここで死滅する。そういう範囲にまで及ぶと思う」
細川「影響の仕方で違いがあると思う。ここの海域で何を問題にするかによって逆に明らかになってくる。ここの水域では物質の循環がうまくいっていない」
大西「後背地は少ないなりにつくっていける、湾岸も陸側につくれる。水際線をめぐる議論を統一していく。猫実川のヘドロや市川航路の深みの取り扱いが焦点と思う。単刀直入で出していったらいいと思う」
風呂田「最終的にはそれに収斂すると私も思う。でも、何のために再生していくのか、私は漁業だと思う。県においてはどんな漁業で権利関係が発生しているのか」
倉阪「いろんな計画をたばねるような計画、例えば後背地の都市計画、港湾計画、漁業計画、自然保護計画などで、それを行政計画として承認して、個別
に実現していく」
磯部「具体的な議論は小委員会になると思う」
◇
その後、会場との質議応答があり、「ヘドロという言葉の定義」「漁業の関係者をメンバーに入れてほしい」「再生は、欧米では復元の意味が一般
的だ」「第2湾岸道路や終末処理場がどういう議論になっているのか」「後背湿地ということが大事」などの意見があった。
◇
また、最後の質議では「第2湾岸の計画が三番瀬に大きな影響を及ぼす。それを抜きにしては議論できない」という厳しい意見があった。
それに対して、磯部座長は「この検討委員会の出発点として三番瀬の凍結と第2湾岸問題を切り離すということから出発してきた」、また大西氏は「第2湾岸などの関連事業は、むしろ県の問題であり、県がどんなふうに考えているか、大事になってくる」と述べた。
◇
磯部会長はこの日のまとめとして「今日は課題出しとして考えて、これから補足調査を見てもらって、その上でまた論議することになると思う。次回の円卓会議に今日の事を報告し、材料を提出する。それを元に、円卓会議で議論してもらう。今後、複雑になってくると思うが、整理して、また専門家会議が開かれると思う」と述べた。
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