旧木内別邸跡地 環濠遺跡は東日本で最大級

 真間四丁目ののマンション計画に伴って、さきに行われた遺跡調査で、弥生時代の環濠集落の跡が二本発見されたが、そのうちの東側の溝が「想像以上に大規模な集落を形成していたのではないか」という説が浮上している。楕円形をなす環濠の長径が約二百四十メートルもあると予想され、「東日本では最大級のものになる」と言われている。これは、弥生時代の遺跡は市川市内では少ないとされてきた従来の見方を大きく変えるものとして関心が集まっている。

 今回、注目されている環濠集落跡は旧木内別邸跡地の東側部分からの発見。弥生時代中期後葉(紀元一世紀後半)のものと推定されている。この環濠集落跡は隣接する真間山弘法寺の国府台第3地点から発見されていた環濠遺跡とつながるとみられ、その範囲は東西に広がる長径が約二百四十メートルに及ぶと推定されているのである。このような規模の環濠遺跡は関東地方では、国史跡に指定されている横浜市の大塚遺跡や佐倉市の大崎台遺跡よりも上回り、神奈川県の折本西原遺跡に次いで最大級の広さの遺跡になるという。
 真間山の遺跡に関連して講演会などを開催してきた関係者によると、従来、市川市には縄文時代に比べて、弥生時代の遺跡が少ないとされ、また古墳時代になると法皇塚古墳や明戸古墳など国府台に古墳が増え始め、その間の弥生時代がエアポケットになっていた。
 ところが、今回の大規模な環濠遺跡の発見によって、弥生時代にも大規模な集落が存在していたという新たな見方が広がっている。ことに、この遺跡の土器編年が「宮の台式土器」という弥生時代中期に東海地方から南関東地域に広まっていた土器を考えると、この地が交通 や流通の要衝であった可能性も秘めている。こうした弥生時代の繁栄が、「その後の古墳時代の国府台の古墳群や奈良時代の下総の国府の設置につながるのではないか」と、関係者は推測している。
 市川の『空白の弥生時代』を埋める意味でも、旧木内別邸跡地を含む真間地域は貴重な地域となり、今後の考古学的調査の上でも、重要な地域となっている。


 
    市の都市計画部長「買収の時期を逸している」 3月市議会で答弁

 真間4丁目のマンション建設問題は、さきに行われた3月市議会の一般 質問でも多数取り上げられた。共産党の樋口義人議員は多くの問題を指摘した。それに対し、市の都市計画部長は「これまで話し合いがなされ、大部分の人たちに理解して頂いている。法的手続きはすべて終了している。これから買収することについては、すでに時期を逸している」などと答え、今後、買収の意思がないことを繰り返した。

 真間4丁目の旧木内別邸跡地に計画されるマンション問題について、樋口市議はこれまでの問題を総括的に質問。市の姿勢を質した。
  これについて、市の都市計画部長は「旧木内別邸跡地は貴重な緑地のことは十分認識している。これまで市としても保全策を検討してきた。その結果 が、地区計画 を立てた。これまで市民からの要望や話し合い、説明会、広報など行ってきて、大部分の人たちには理解していただいている」と述べた。さらに「手続きは正規の手続きを行ってきており、今、延期を申し入れる考えはない」と説明した。
 また、「開発審査請求が3件提出されているが、弁明書や再弁明書の提出を求められている。都市計画法に違法、開発許可失効を求めている請求だが、審理中なので答弁は控えさせて頂く」と述べ、「地区計画の手続きが違法であるかどうかを審査すべきで、許可が違法かどうかは、あたらない。地区計画の意義申し立ても却下されている。法的な手続きはすべて終了している」と言明した。
 また、開発業者であるサンウッドとの交渉については「これまで等価交換が成立しなかった。また、市の財政悪化で、土地の取得もできなかった。このため、今となってはすでに時期を逸している」と、従来の姿勢を繰り返した。


●旧木内別邸跡地  

新緑の旧木内別邸跡地。ここにマンションが
建設される計画が進んでいる。

様々な植生がみられる木内別邸跡地。 「この
緑地の9割が保存される」といわれるが……

マンション計画の入り口道路。
幅員が4.5メートルしかない。

入り口道路北側には貴重種といわれる
マメヅタが自生している。

   旧木内別 邸跡地の開発行為についての要望書

 市川市長 千葉光行様  
     旧木内家別邸跡地の開発行為についての要望書

 旧木内別邸跡地のマンション建設計画に関して、マンション建設主である(株)サンウッドならびに施行主である(株)清水建設は、昨日4月7日に敷地に接する国府台マンションに居住する住民や周辺住民に対して説明会を持ち、当初計画していた敷地北側切り通 し道路の拡幅を中止し、現道路のままマンション建設を行うこと、また、来る4月15日によりマンション建設のための仮工事に着手することなどを告げました。北側道路の拡幅中止は市川市からの指示であり、市はこれによりマメヅタなどの自生する同道路の自然環境が保全されるとしています。しかし、一方これにより今回のマンション建設計画が「開発行為に際しては隣接道路の幅員を6メートル以上とる」という従来の市の方針に沿わないものとなり、住宅地高度利用地区計画制度の適用とともに、このマンション建設に対して新たな特例措置が適用されることとなりました。そのため、マンション説明会の席上でも「現在の道路のままマンション建設工事が行われることは、この道路を利用する地域住民の安全を脅かす」として、4月15日からの工事に対して、強い反対の声が上がりました。
 市は「マンション敷地内に設けられる遊歩道が一般に開放される計画であり、この部分を含めれば『6メートル』という基準を満たすことになり、千葉商科大学側の道路を広げることは、開発行為の許可に必要な条件ではない」としていますが、これは詭弁と言わざるを得ません。そもそもこの主張は初め、マンションの建設主である(株)サンウッド側が市に提案した考え方であり、この段階で市はこれを認めず、千葉商科大学側を拡幅するよう指導がなされ、(株)サンウッドが費用を負担して工事を行うという内容で工事の申請がなされています。このような経過を見れば、敷地北側の当該道路を拡幅できることが前提で開発許可がおろされていることは明白です。実際、マンション敷地内の遊歩道は地域住民が同道路を利用するに際に利用しにくい歩道(年輩者が多く、遊歩道を通 ると必ず階段を上ったり降りたりする必要があるので利用されない可能性が大きい)です。また、県道市川松戸線との接続部分が既存のマンションのために遊歩道もつくれず幅員4・5メートルを6メートルにできる見込みは全くないのです。
 以上のように、(株)サンウッドに対する今回の市川市の指導は、このマンション開発を許可するに際して周辺の自然環境に関する事前の調査を行わなかったことの誤りを「市川市自らが認めたもの」と理解することができます。本来、隣接道路の幅員をきちんとした形で6メートル確保できなければ開発行為を認めるべきではなかったのであり、今回それができないことが明らかになった以上は、旧木内別 邸跡地の開発行為そのものを見直すべきと考えます。  また、自然環境についての事前の調査が行われていないのは、北側隣接道路に限ったわけではなく、旧木内別 邸跡地の開発用地内すべてに言えることです。したがって、市川市は隣接道路のみの環境保全を強調するのではなく、旧木内別 邸跡地全体の環境保全を問題にして、きちんとした事前の環境調査に基づき、議論すべきです。
 以上、北側隣接道路の拡幅工事を取りやめたことについては高く評価するとともに、6メートル幅員が確保できないことから、旧木内別 邸の開発行為そのものを見直すことを強く求めます。同時に、旧木内別邸跡地および北側隣接道路周辺の環境調査を早急に実施することを要望いたします。

 2002年4月8日
                 市川緑の市民フォーラム

 
 

   真間4丁目のマンション問題 緑地保存を再度訴える
 緑地保存運動が続いている真間4丁目の旧木内別邸跡地のマンション建設問題で、自然保護のグループや周辺住民が3月20日、都市緑地保全法に基づいて保存するよう、市に対して再度要望書を提出した。これは、最近の現地の荒れ方が激しく、市がこれまで主張してきた「緑地の9割が保存される」という見方に疑問が出てきたため。要望書では 「台地上の樹木が広範囲にわたって除かれ、乾いた地肌があらわになって、9割に緑地が保存されるには程遠い」としている。
 ◇要望書

 2002年3月20日
市川市長 千葉光行 様
 真間山・旧木内別邸跡地の現状について

 真間山・旧木内別邸跡地は市自身が市川のシンボルとしてきた国府台緑地の重要な一角を占め、クスノキ、タブノキ、スダジイ、ケヤキなどの大木だけでなく、林床の植物を含め「見事な植生が維持されている」と専門家に指摘されてきました。ところがここに開発業者によるマンション建設計画が起こり、貴重な緑地が失われる状況となったため、私達はこの地域を都市緑地保全法に基づく保全緑地として、公有化を含む全面 的な保全をするよう市に求めてきました。これに対し市は「建物を高層化し建築面 積を減らすことで、失われる緑地面積を減らすことができる」としてマンション建設を容認し、「この結果 、市の財政負担なしに、この地域の緑地を9割保全できる」とする主張を市議会や都市計画審議会など、公式の場でくり返し発言し、市の広報やマスコミを通 じて市民にも宣伝して来ました。特に、市がマンション計画を認めるために提出した、住宅地高度利用地区計画に市川市都市計画審議会がストップをかけ、保全のための買い取りを検討するよう求めた際にも、上記の主張により委員を説得し、買い取りに向けての努力を一切行いませんでした。
 こうして市川市が業者側に開発ならびにマンション建設の許可を行ったことにより、この地域では既に建物敷地内および周辺樹木の伐採、移植などの作業が行われ、同地域の緑地の状況は一変しております。台地上の樹木が広範囲にわたって除かれ、乾いた地肌があらわになった状況は「緑地の9割が保存できる」という状況とは程遠いものがあり、この現状を知れば緑地保存を望んだ市民の多くは「市に裏切られた」という気持ちを持つに違いありません。残された緑地内の乾燥化も進んでいる様子で、樹間の林床部の緑が減り、こんもりとした森の風情が失われ、樹木の間が透けて見えるようになっています。市川市内で日本在来種のカントウタンポポが群生して見られる数少ない場所であった草地も、ほぼ完全に失われています。
 市はこうした状況に対し責任を感じるべきだと私達は考えます。現状では斜面 や周辺部の樹木が残っており、早急に保存の措置を行えばこれらを守ることが出来ます。またそうなれば台地上の緑を時間をかけて回復させることも可能です。しかし、計画通 りマンションが建設されれば、台地上の緑の回復が不可能になるばかりでなく、周辺部や斜面 の樹木にまで破壊がおよぶことは避けられません。私達は、市川市が緑地の現状を早急に把握するとともに、今からでもマンション計画をストップさせ、保全のため、ここを都市緑地保全法に基づく保全緑地とするよう、再度、強く求めます。

 真間山の緑地を守る会   共同代表 鈴木一義、秋元久枝
 市川緑の市民フォーラム   事務局長 佐野郷美、川島千鶴子
 市川国府台マンション   真間山旧木内別邸跡地問題対策委員会   代表 竹乗義晴
 地元自治会住民ならびに木内別邸跡地緑地の保全を望む市民有志


     真間山マンション問題で地元自治会が要望書

 真間4丁目の旧木内別邸跡地のマンション問題で、地元、真間地区の自治会長が市川市に対し、説明会開催の要望書を1月25日に提出した。
 要望書では「これまで地区計画決定の説明ではマンション計画は知らされなかった。昨年から業者が直近の住民に対しては建築計画を説明しているが、この問題は真間、国府台地域の緑地保全の問題であり、広く説明会の開催を要望する」としている。

 要望書を提出したのは、真間3丁目自治会長や国府台1丁目自治会長など、同地域周辺の9つの自治会の代表。これまで緑地保存の署名活動などは行われていたが、この地の緑地保全とマンション問題が、環境保護団体だけでなく、自治会ぐるみの運動に発展している。
 要望では、真間4丁目の旧木内別邸跡地に高さ20メートルのマンションが6棟も計画されているのには驚いているとし、「風致地区に指定されているこの地に、地区計画を決定して、マンション計画を容認することに納得できない」と指摘している。
 さらに「平成12年10月に説明会を開催したとのことだが、その時点ではマンション計画があることを住民は知らされなかったため、地区計画の意味がわからなかった」としている。
 昨年11月から業者が近接の住民に対して、マンション計画に関する説明を行っているが、要望書では「この問題は真間・国府台地域の緑地保全の今後のあり方に関わる問題」であり、地域全体の住民に対して説明会の開催を求めている。


 真間4丁目の旧木内別邸跡地の緑地保全を求める要望書が、自然保護団体や地元住民から、市に提出されている。(2001年12月)
  旧木内別邸およびその樹林地に関する再度の要望 2001年12月6日

 市川市の発展に日々ご尽力いただきありがとうございます。
 さて、「旧木内別邸およびその樹林地」の保全につきましては、私たちは都市緑地保全法の適用、緑地だけでなく貴重な遺跡の保存、住宅地高度利用地区計画制度適用の誤り等を指摘しつつ、1999年夏より市川市に対して当地の保全を強く要望してきました。

 住宅地高度利用地区計画を導入するにあたり開催された今年2月16日の都市計画審議会で、異例の「継続審議」となったこと、そして、その後行われた6月8日の都市計画審議会でも、この問題をその場で決着するか、さらに「継続」とするかで、審議会が議長判断になったことは、当地が市川市の中でも最優先で保全すべき素晴らしい緑地、史蹟であることを審議会でも深く認識していることを示していると同時に、住宅地高度利用地区計画を適用することに対する大きな危惧を示すものです。
 一方、市民の中に「真間山の緑地を守る会」が生まれ、市川緑の市民フォーラムが集めてきた署名とは別 の署名運動が始まりました。また、広報いちかわで「9割の樹林地を保全」などと。マンション建設計画を伏せながら、市川市が緑地 保全に最大限の努力をしているような情報発信をしたために、具体的な動きを見せていなかった周辺住民も、素晴らしい樹林地の中の6棟100戸以上のマンションが計画されていることを知るに至って、独自に市川市宛に要望書を出したり、地元自治会長が名を連ねた地域の署名が2700筆以上も集められ、市川市に提出されるという状況も生まれています。
 私たちは、あらためて当地にマンションを建設することなく保全し、将来の市川市のまちづくりの大きな財産として生かしていくべきであることを強く要望いたします。

                  記

1.高まる市民の声に市川市がきちんと応えるべきです。
 「市川緑の市民フォーラム」は、市川市全体の自然や環境を守り、それらを生かしたまちづくりを行政に提言する活動を行っています。したがって、旧木内家別 邸とその樹林地の保全、さらに国府台から須和田にかけての約2キロの斜面林全体を保全することが市川市の緑地保全の要であると考え、1999年7月よりマンションを建設することなく当地を保全することを要望してまいりましたし、一万人を超える署名もすでに提出済みです。しかし、この私たち市民の声に位 置あわしは応えてくれないのが現状と思います。しかし、このような市民の声は次第に大きくなっています。具体的に示します。
 1 当地を守ることを目的に「真間山の緑地を守る会」という市民の会が設立され、独自に署名活動を行いながら、市川市に強く保全を要望している。
 2 国府台マンションの自治会、管理組合がこの問題に関して、市川市宛に要望書を提出している。
 3 真間山の緑地を守る会の署名用紙を使ったものではあるが、関根實(市川市真間連合自治会長・真間3丁目北部自治会長)、池水洋子(真間南部自治会長)、嶋田元靖(真間2丁目第3自治会長)、染谷享(真間2丁目西部自治会長)、西川智泰(真間4丁目自治会長)、荻原光男(真間北部自治会長)、塩野克彦(国府台台和自治会長)ら地元の自治会長が名を出して署名活動が地域に展開され、2778筆の署名簿が市川市に提出されています。
 真間山は市川市の貴重な財産です。いや千葉県の財産でもあります。したがって、市民の署名はどの地域の方のものであっても貴重なものですが、行政の方から考えればやはり地元住民の署名が意味するのもはきっと、他地域の署名に比べて意味が大きいに違いありません。これだけの声があれば、保全のために市川市が動いたとしても、それを咎める市川市民がいるでしょうか。もう一度、買い取りのための方策、都市緑地保全法の適用、緑の基金の取り崩し、その他を検討してください。

2.住宅地高度利用地区計画制度の適用はやはり大きな誤り
  地区計画制度の導入が誤りであることは、すでに提出した要望書に指摘しておりますが、あらためて導入すべき制度でないことを強く訴えます。
 全国で導入され他地区計画制度の事例を国土交通省の事例集をもとに調べた結果 からも、千葉県の指導で導入するようにした当地における住宅地高度利用地区計画制度の適用が、前例の無い突出したものであることがはっきりしました。これがこの制度の悪用に他ならないし、都市緑地保全地区に必要な3条件すべてを具備している真間山にこれが適用されるならば、どんな都市緑地も開発可能になってしまうものです。以下、具体的に示します。
 1 「住宅地高度利用地区計画」と同様に、高さ規制の緩和が出来る都市計画手法として「地区計画」制度があり、 これはこれまで3000例以上の適用事例がありますが、第一種低層住居専用地域で高さ緩和をした例はありません。用途地域の高さ規制緩和は安易にできないことをしめしています。
 2 「住宅地高度利用地区計画」の適用事例はこれまでに以下の15例があります。
 総合的都市計画に沿ったもの(7例)/公営住宅の老朽化による建替え(4例)/住宅公団分譲地(1例)/大都市農地活用住宅供給整備促進事業(1例)/広大な区画整理地(24.7ha)に倉庫等が出来て住環境悪化の懸念から、住宅建設促進のため建蔽率等を緩和(1例)/広大な民有地(21ha)に低中高層住宅の地区割りをして良好な市街地を形成(1例)、いずれも本制度適用の目的と条件である「良好な居住環境を得るために地域の都市機能の増進と土地の高度利用の客観的必要性が生じた地域」に適合しています。
 3 一方、真間山は永い間風致地区の核心的な緑地として保全され、このたび所有者となった業者がマンション建設を希望している、という区域で、法の適用条件に全く適合していません。法の適用条件の(1)「現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると思われる区域であること」に対して市川市は「本地区は共同住宅の計画があり土地利用が著しく変化することが予想される」ことを適用理由としていますが(2001年2月16日の市都市計画審議会資料P13)、これではどんな所でも地権者が希望すれば適用の対象になってしまうので、これは全く適用根拠にはなりません。
 以上のように、当地における地区計画制度の導入が他地域に比べると異質なものであることが浮かび上がりました。これは、本来他地域であれば、開発行為を制限して都市の重要な緑地として保全すべき地域に、高さ緩和の目的で無理に地区計画制度を適用させようとしたために、その異質さがクローズアップされたものと考えられます。
 また、住宅地高度利用地区計画制度について国土交通省に問い合わせたところ、やはり私たちのこれまでに指摘した通 り「風致地区で第一種低層住居専用地域である地域への導入は 意図していない」との発言を得ました。したがって、この地区計画制度の導入は、たとえ都市計画審議会がGOサインを出したものであったとしても、あらためて導入を見送る英断を下すべきです。

3.保全したいが市だけでは資金が調達できないこと、そのために市民に協力してほしいことを市民に投げかけて下さい。
 私たちは当地の保全のために「基金」あるいは「募金」のようなものの用意があることをすでに市川市には伝えてあります。
 市長が言うように当地を買取るのに「40億、50億かかる」とは思っていませんが、都市緑地保全法の適用や緑の基金の一部取り崩しなど、いろいろ工夫しても不足する資金について、市民も何らかの形で全面 的に協力するつもりです。考えても見てください。当初市も保全すべき地区であると 考えていたところです。財政難から一度は断念したが市民の声の高まりの中で、市が買取る決意と資金面 での市民お協力を求めたりすれば、それは全国的にも稀有で貴重な緑地の保全例ということになるのです。それは決して恥ずかしいことではありません。国も地方自治体も財政難はもはや自明です。地価が高く、緑地が激減している東京近郊で緑地を保全しようとすれば、こういう形も十分にありうるのです。これこそ本当に市民のため、時代に責任を持った環境行政のあり方ではないでしょうか。買取りを決意した市川市に対して、智恵も出そう、金も出そうと言うならば、これこそ本当の市民参加ではないでしょうか。思い切って買取る方向に政策の大転換をお願いします。

 2001年12月6日

                           市川緑の市民フォーラム
                                    事務局長 佐野 郷美
                           真間山の緑地を守る会
                                    共同代表 秋元 久枝、同 鈴木 一義
                           まちづくりフォーラム
                                    事務局 高野 由子


    保存できるか真間山の緑地 都市計画審議会が地区計画を承認

 市川の緑地のシンボルとなっている真間4丁目に計画されているマンション計画の「地区計画」を審議する都市計画審議会が、8日に行われ、最終的に賛成多数で承認された。この「地区計画」によって、緑地の約90%は保存されるとされているが、市内の自然保護団体などからは、実際面 として保存できるかどうか、疑問の声も出ている。これまで保全運動を訴えてきた住民は、市議会に陳情を提出した。


マンション計画が決まった真間4丁目の緑地

 真間4丁目の緑地は、旧木内重四郎の和洋折衷様式の別邸があったことで、古くからの緑地が残され、大木や巨木が生育し、「市川の緑のシンボル」として貴重なものとなっていた。また、付近一帯は風致地区に指定され、建蔽率や容積率が厳しいものになっていた。

 今回のマンション計画は、様々な経緯があるが、当初、サン・ウッドというデベロッパーが戸建て住宅の建設分譲を計画。それに対して、自然保護のグループから、緑地の保存運動が起こった。
 市では、風致地区の高さ制限を緩和する代わりに、建蔽率を厳しくした「地区計画」を立案。都市計画審議会に諮問していた。
 今年2月に行われた都市計画審議会では、この「地区計画」に対して、多くの委員から疑問の意見が出され、結局、「継続審査」となっていた。

 関係者によると、8日に再び行われた都市計画審議会は、約4時間の審議が行われた。開発に慎重な委員が「継続審査」を出したのに対し、承認派は、同日の採決を求め、15人の委員のうち、7対7までとなり、結局、委員長判断で、この日の採決が決まり、また、採決では9対5で、地区計画が承認されたという。

 この都市計画審議会の結論で、地区計画は実施に移される。現在の計画では、面 積は約17,800平方メートルで、共同住宅用地が10,400平方メートル。道路が1,400平方メートル、南側の斜面 緑地が3,100平方メートル、地区内の緑地が2,600平方メートル、旧木内別邸の保存建物が300平方メートルとなっている。
 このうち、斜面緑地は市川市に寄贈され市が管理する、地区内の緑地は周辺住民に開放される、また道路には歩道を設置するという。


【解説】保存されるか真間山の緑地
 真間4丁目のマンション計画が決まった。緑地保存と民間開発、市の財政難という狭間に立たされた、いわば折衷案的な解決を模索してきた市の「地区計画」。しかし、問題はこれからが正念場という指摘もある。
 市の姿勢では、市街地から見える斜面緑地は全面的に残る、また、地区内の巨木なども9割以上が残る、また、高さ20メートルの建物は木の上に見えないことになり、結果 的に「市が予算を出さなくても、緑地は残される」という姿勢。市は地区内の緑地について、「緑地協定を結ぶので、伐採されることはない」と強調している。
 これに対し、住民グループは、貴重な緑地が失われる、市の財政調整基金や緑の基金などを使えば、公有地化できるなどと主張していた。
 実際面として、ここの場所がカラスの塒になっていることで、将来的に善意の第3者である入居者から樹木の伐採の要望が出ないかどうか、また、そういった要望が出た場合、それでも緑地協定を守らせるのかどうかだ。
 また、地区内緑地には遊歩道をつくって、誰でも歩けるようにする計画だが、入居者から拒絶の声が出ないかどうかも、問題だ。公園のようなフリースペースと異なり、あくまでもマンションの入居者の敷地なのだから、不特定多数の人の出入りは問題を残すとみられている。
 このほか、緑地をできるだけ残そうという「風致地区」の理念も、今回の特例的な措置で、他の地域に波及しないかどうかも問題を残している。

 


   真間4丁目の高度地区計画 都市計画審議会が8日に開催

 真間山の緑地が残るかどうかを審議する注目の市川市都市計画審議会が、6月8日午後1時から、市役所の会議室で行われる。緑地保存や埋蔵文化財、また、風致地区内での大規模開発など、大きな問題をはらんでいるマンション計画に対して、何らかの結論が出される見通 しだ。
 審議会の進め方や結論の出し方によっては、今後の保存運動や6月市議会などでの論議がさらに高まることも予想されている。


   真間4丁目のマンション計画  注目集める都市計画審議会

 市川の緑のシンボルとなってきた真間4丁目の緑地の行方は、大きなヤマ場を迎えている。2月から継続審議となっている都市計画審議会が8日に開かれ、結論が出そうな公算が高まっているからだ。保存を訴える住民の「真間山の緑地を守る会」は5月9日、第3次の要請書を市に提出し、市の助役と会見した。市の助役は「2月の都市計画審議会の結果 は、説明不足によるもの」として、今月の審議の結果に期待しているという。

 関係者の話によると、今月8日に開かれる都市計画審議会の委員への懐柔策が、市によって行われ、これまで10人近くの委員に理解を求めたという。この結果 、当日の審議会では何らかの結論が出されることが濃厚になっている。また、「審議が出尽くした」といった動議が出され、強行採決の可能性も高まっている。

 守る会の住民が提出した第3次の要請では「公有地化を求めている」が、これに対し、市では「地区計画で緑地の大半が残るのに、今さら巨額の予算を投入して、買収できない」という姿勢。両者にはおおきな隔たりがある。


    真間山の緑地保全を求める要請(5月9日)  

2001年5月9日

千葉光行 様
  真間山旧木内別邸跡地に都市緑地保全地区指定を求める要請(第三次)

真間山の緑地を守る会

 生気溢れる緑の季節となりました。日頃の市政におけるご奮闘に敬意を表します。
 真間山旧木内別邸跡地の問題では、当「守る会」の要請に対するご回答をいただき有難うございました。しかし残念ながら、市長のお考えには承服できないところがありますので、重ねて私達の考えを述べさせていただきます。
 まず、2月16日の都市計画審議会の議事録がこのほど閲覧に供されましたが、この中で大半の審議会委員はこの地を住宅地にすることで反対で、財政的困難を乗り越えても公有地化すべきことを強く要求しました。これらの意見を受けて、会長は市に買取りを再検討するようにという意見を付けて継続審議としました。一方、その後の市当局の対応及び市長の回答は、従来と同様に、買取りは財政的に困難だから「住宅地化」を認める、この場合「地区計画」にとって出来るだけ樹木を保全するという主張です。しかしこれは「公有地化」の要望とは逆のものですし、4月25日の市当局との話し合い(水と緑の部長、都市計画部次長、他の出席)でも財政的な再検討をしたようには全く見られませんでした。これは市長が諮問した審議会の意向を無視するものではないでしょうか。市当局は、あの審議会の結果 は審議会委員への説明が不十分であったためであるとして、委員への説明を行っていると聞きますが、これは委員の市民としての常識と高い見識をないがしろにする独善的な考え方ではないでしょうか。

 「守る会」としましては、以下の要請をさせていただきます。

1 当該緑地を住宅地ではなく公有地とするよう検討してください。
 これによって以下のようなメリットが得られます。
 ・地元をはじめ殆ど全ての市民及び近隣住民がこれを望んでいます。
 ・貴重な太古からの樹木が保全されます。
 ・地域の生活環境【空気の浄化、地下水脈と雨水処理、ビル風問題、交通事故(特に北側の切り通 し道路とその出口の松戸街道)】が保全されます。
 ・市川の顔である緑の回廊の景観が保全されます。
 ・他の風致地区に対して、マンション建設の前例とならないですみます。
 ・真間・国府台丘陵における緑地と遺跡公園の可能性が生まれます。これは自然指向の世の趨勢の中で、間違いなく市だけでなく県でも有数の名勝地となります。
 ・地元商店街の活性化につながります。
2 都市緑地保全地区指定を検討してください。
 地方分権化により、平成12年度より10ヘクタール以下の土地の緑地保全地区指定は県だけではなく市に委譲されました。市長は財政的な担保を考えれば、法的には地権者の同意無しに緑地保全地区指定が出来ます。当該地を公有地として保全するためには、都市緑地保全地区としての最適の資格を有する当地の指定を、ぜひ前向きにご検討ください。
3 買収の財源を検討してください。
 取り崩しの自由な「財政調整基金」は、99年度の剰余金から13億円を加えて累計33億円あります。“緑地の取得、保全及び緑化の推進”を目的としている「市川市緑の基金」は現在高14.6億円で、利子運営が原則ですが、一時的な取り崩しも働きかけによっては可能でしょう。「土地開発基金」の活用も考えてください。また都市緑地保全地区指定によって、数年後にまたがりますが買収費の3分の1の国庫補助金が期待できます。
 更に別の観点から見れば、市の公共事業に節約できるところが有るのではないでしょうか。例えば医療(リハビリ)施設、清掃施設、中央図書館(メディアパーク)等に当初予算計上後、設計変更等で約300億円近い増額がされています。ここ10年間の推移は民生費、教育費より、土木費の構成比が大きくなっています。JR市川駅南口再開発は、全国各地で破綻が見られているもので、100億円近い巨額の投資は検討の余地はないのですか。財政指数が全国で上位 に位置する市川市が、市民の願いに沿って当地を買収するために、市予算1500〜1600億円の約1%を支出すること(これは年収300万円の家庭が家族全員の望むものを約3万円で購入することに相当)は、長い目で見て決して無理な買物ではないはずです。
 4 都市緑地保全地区指定を前提として、事業者と買収価の協議をしてください。
 市長は3月21日の夜間議会で、金子貞作議員への答弁の中で、この買収費用に関して、「周辺の同種の地価からみると、30億円以上、その保障等を合わせると、40億、50億と言われてもこれを買う以外方法が無い」と述べていますが、緑地保全地区指定を前提として協議すれrば、このようなことは無いはずです。すなわち、都市緑地保全法第7条第1項2号に『法適用により種々の許可が得られなくなるから、これにより通 常生ずべき損失は補償するが、次の場合にはその限りではない「その許可の申請に係る行為が社会通 念上緑地保全地区の趣旨に著しく反すると認められるとき」』と規定されていますから、社会通 念上緑地保全地区の趣旨に著しく反するマンション建設計画に関連した高額の要求には、応じる必要がありません。まず、事業者に当該地の公共的な重要性を説明して、緑地保全地区指定の必然性を充分に理解してもらい、事業者の買い入れ値段(11.7億円)と路線価とをもとに交渉し、適切な購入価を決定してください。

 これらの検討を前向きにすることによって、当該地は必ずや公有地として保全されることになると思われます。このことは都市計画審議会の意向に沿うことであり、また大多数の市民の願いを実現することになります。市長のご決断を切にお願い申し上げます。

 次に、これに関連した若干の要望と質問を追加させていただきます。
5 「住宅地高度利用地区計画」について
 私達は前述のようにこの地の住宅地化には反対の立場ですが、市が緑の大半が保全されるという名目で、この地に「住宅地高度利用地区計画」を導入しようとすることの適正さについて、大きな疑問を持っております。「住宅地高度利用地区計画」の目的としては、都市計画法第12条の6(1)に「土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進をはかるため」とあり、これを適用する条件としては、同条項の第1号の「現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる区域であること」を主な根拠としていると思われますが、この地は元来風致地区であって「土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進を図る」べき地域ではなく、「土地の利用状況が著しく変化しつつある」ところではなく、「著しく変化することが確実であること見込まれる区域」でもありません。「著しい変化」を与えようとしているのは開発業者であって。必然たる確実な流れではなく、風致地区の状態を維持するために当然止めるべきところです。
 このように風致地区に「住宅地高度利用地区計画」を適用することは適切とは言いがたいと思われます。建ぺい率を4割から3割に減らす大小として建物高さ制限を10メートルから倍の20メートルに緩和する市の案には、5月2日の県(都市部公園緑地課都市緑地推進室の室長以下が対応)との話し合いにおいても、県の積極的な関与は否定されました。この案が決定されますと、これは市川市だけの問題ではなく、全国的に風致地区に重大な影響を及ぼす問題であると認識されます。市の見解をお伺いします。またこのように風致地区に「住宅地高度利用地区計画」を適用した例があるならばそれを教示してください。
6 当該地の埋蔵文化財について
 現在進められている当跡地の埋蔵文化財調査において、弥生時代の環濠集落をはじめ、奈良平安時代に至る住居跡が発掘され、また勾玉 、鏡、鉄製矢じり、土師器、須恵器などの埋蔵品が出土しており、ここは1914年に旧木内家別 邸が建てられて以後土地が荒らされていないので、遺跡の保存状態が良く、文化遺産として、また教育的見地からも市川市にとって極めて高い評価を持つと考えられます。現に、明治大学考古学研究所や国立民族博物館の関係者はこの遺跡発掘に大きな関心を寄せていると聞きます。従って、考古学の専門家をはじめとして教育関係者や市民を交えて、充分その価値について考察して、その結果 当市にとって重要と判断されれば、文化財保護法第98条(国指定以外の史蹟も、県や市の条例で史蹟として指定できることを規定)と市川市文化財保護条例第5条によって史蹟として保存することが出来ますので、この面 からも当跡地の保全は検討されるべきです。

 以上、私達の要請と若干の質問をさせていただきました。宜しくご検討を頂くと共に、ぜひ市長と直接考えを交える機会を設けていただけますよう御願い申し上げます。

「真間山の緑地を守る会」       
共同代表 秋元 久枝、鈴木 一義


     「遺跡発掘見学会」と「遺跡講演会」

 真間4丁目の国府台遺跡で、2回目の「遺跡発掘見学会」が、6月1日と2日に現地で行われる。午前10時から午後4時まで。一方、住民主催の遺跡講演会が、6月2日午後4時30分から、向かいの和洋女子大学で行われる。

 このほど行われる「遺跡発掘見学会」は市教育委員会の主催。前回は、住民の要望で急きょ実施したが、今回は2日間にわたって行われる。今回は、同遺跡の南側半分の発掘について公開。市教育委員会の説明も行われる。
 1日と2日が雨天の場合は、3日と4日に順延される。問い合わせは電話047-334-1111(市教委の生涯学習課)まで。

 一方、「遺跡講演会」は2回目で、今回は『東京低地から見た市川の古代』というテーマ。葛飾区の郷土と天文の博物館学芸員の谷口栄さんが解説する。
 場所は、和洋女子大の東館4階の第1教室。午後4時30分から。参加費は資料代として300円。問い合わせは電話047-373-0845(高柳さん)まで。


  真間山緑地保全で、第3次の要請書  5月9日に住民団体

 風致地区での開発が大きな問題となっている真間4丁目のマンション計画で、住民団体の「真間山の緑地を守る会」が5月9日、第3次の要請書を市長に提出した。都市計画審議会の「計画の再検討」という審議を重視し、市に再考を求めている。この真間山の緑地問題は、現在行われている遺跡調査で、弥生時代の環濠集落跡が発見されるなど、緑地だけでなく、学術的にも重要度をましてきた。

 「真間山の緑地を守る会」の要請は、
1 当該緑地を住宅地ではなく公有地とするよう検討
2 都市緑地帆保全地区指定を検討
3 買収の財源の検討
4 都市緑地保全地区指定を前提として、事業者と買収価の協議
5 「住宅高度利用地区計画」について
6 当該地の埋蔵文化財について

 それぞれ具体的な問題点を指摘して、市に対して、再検討を求めている。


    姿あらわす巨大環濠  真間山の国府台遺跡

 マンション開発に揺れる真間4丁目の「国府台遺跡(第29地点)」で、初めての現地説明会が4月3日に行われ、弥生時代の巨大な環濠跡や住居跡などが公開された。説明会には、急きょ決まったにもかかわらず、約100人が集まった。環濠は住居群を囲む深い溝で、かつてこの地域に大規模な住居群があったことを物語っている。

 この日の説明会は3月25、26日に予定されていたが、雨天のため、中止になっていた。住民団体などが要望をくり返し、3日の午前10時から実現した。しかし、翌日以降には、樹木の移植作業にかかるため、説明会の予定はない。

 説明会では、市教育委員会の担当者や発掘の担当者が、遺跡の概要を解説した。発掘調査は南北で、2つの区域で行われ、今回は北側の部分。西側に、V字型に掘られた環濠が姿を現わした。環濠は幅3メートル、深さ2.2メートルで、西側を内側にして南北方向にのびている。また、この環濠や住居跡から弥生時代後期の壷や高坏などが見つかっている。担当者の説明では「環濠の内側が弥生時代、環濠の外側は平安時代のものと思われる」と解説した。
 古墳時代の地層からは、いくつかの円墳があったことがわかり、勾玉が発見された。
 奈良・平安時代では、住居跡が10軒以上みつかり、遺物では日常の食器である坏や陶器、石帯、鏡などが見つかった。
 平安時代以降では詳しいことはわかっていないが、区画溝からは鎌倉時代の頃の常滑や渥美などの陶器が発見されており、平安以降は小規模ながら人が活動していたと推測されている。

   1時間だけの見学会  市民団体が強く批判

 一方、この説明会を要望してきた「真間山の緑地を守る会」や「緑の市民フォーラム」などの住民団体は、市教育委員会の対応を強く批判。緊急的な要望書や対応についての要望を提出した。

 「守る会」の要望は、開発業者と市教育委員会の協定書の通り、現地説明会をぞれぞれ2日間実施することなどを求めている。要望ではこのほか、埋蔵文化財の保存と活用、現状保存を原則としているから『保存』という立場を尊重することなどを求めている。

 また、「緑の市民フォーラム」は、4月3日以降にも市民に広く知らせて「見学会」を実施する、これにあたって発掘調査期間を延長すべきなどを要望している。


  真間山も遺跡の宝庫 弥生時代の環濠跡が発掘

 マンション計画で揺れる真間四丁目の旧木内別邸跡地が、都市の中の自然環境とともに、埋蔵文化財の存在でも注目を集めている。遺跡の発掘調査で、新たに弥生時代の環濠集落の存在が発見されたのである。環濠集落はすぐ東側の弘法寺の調査でも、今回とは別 のものが確認されている。これまでの説では「この付近には大規模な集落がなかった」とみられていたことから、「考古学的な定説もくつがえすのでは……」と重要視されている。

    ◇

 真間四丁目の旧木内別邸跡地は、サンウッドというデベロッパーによってマンション計画が進められている。しかし、都市の中に残る豊かな自然として市川のシンボルともなっていることから、早くから反対運動が始まり、保存を求める数多くの署名が提出されている。

 また、予定地が「風致地区」に指定され、高さ十メートル以下という高さ制限などがつけられているため、市は開発と緑地保存の妥協案として、高さを二十メートルと緩める代わりに、建蔽率を厳しくする案を二月十六日に都市計画審議会に諮問した。しかし、同審議会では反対意見が続出し、同審議会としては異例の「継続審議」とした。

    ◇

 遺跡発掘調査は昨年から始まっているが、今年の二月末の時点で、弥生時代の環濠の跡と、弥生時代と古墳時代の竪穴住居群の跡が発見された。

 環濠は、集落を円形に囲む深さ二メートルほどの防御用の穴で、弥生時代の大規模な集落の特徴といわれている。

 環濠集落は今回の発掘地点の東側の弘法寺境内の調査でも発見されているが、円形の向きが異なり、今回の環濠集落とは別 のもので、また、時代も異なるとされている。

    ◇

 奈良時代、下総の国府がここの北側に置かれたが、当時、下総地方で繁栄していたのは佐倉市や印旛沼周辺といわれ、下総の国府がなぜ西のはずれの市川に置かれたか、その理由の一つに「地元の勢力が強いところをあえて避けて、これから発展する可能性のある場所を選んだ」とされている。市川市史では、市川に置かれた理由として『都の支配階級の政策をもって在地に臨む国府の国司は、地元の国造らの旧勢力と緊張関係に立つから、印旛などの国造の本拠地に乗り込むより、将来発展し支配の基盤となる可能性のある葛飾郡の南西端を選んだのではなかろうか』と推理している。

    ◇

 しかし、これは、これまで市川の国府台付近で発掘調査があまり進んでいなかったから、発掘例が少なかったためといわれる。弘法寺境内や松戸市・矢切地域でも弥生時代の環濠集落の跡が発見されており、さらに、今回の調査過程などから、「かつてこの付近には大規模な集落があったのでは……」といった推測が起こっている。

 これについて市教育委員会の文化財係では「これまで市川ではあまりなかった弥生時代の環濠集落が、弘法寺の境内に続いて、今回出てきたから、興味深いのは確かだが、まだ全体像がわからないので、何とも言えない。調査は今の時点では北側半分で、今後、南側半分の調査も行う」と説明している。


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