外環道路問題 市内中心部で、設計用地説明会

 外環道路計画の市内中心部の構造などを説明する設計用地説明会が10月21日、菅野小学校で行われた。この区間の工事を担当する日本道路公団が設計概要や用地に関して説明した。会場との質議応答では、同計画に反対する意見が続出した。中には「私はルートにかかっているが、絶対退かない。だから、外環道路はできない」と断言する人もいた。この日の説明会は質問の途中で、時間切れという理由で、打ち切られた。同地域では、地元菅野地区の3つの自治会が「反対」を表明している。


 



参加住民から多くの疑問 外環説明会

 市川市内を縦断する高速道路、東京外環道路。最も焦点となる市内中心部の菅野、須和田、平田地域を対象にして、10月21日に行われた設計用地説明会。説明は、これまでの国土交通 省から、工事を担当する日本道路公団の職員が行った。構造や用地に関する一連の説明の後に行われた住民との質疑応答では、さまざまな疑問が出されたが、結局、約1時間の時間しかなく、十分に答えることなく、終了した。事業者による設計用地説明会は今回で終了する。
◆設計用地説明会の主なやりとり

●環境問題に関する公団の説明「大気騒音などについては、外環本体から16メートルの環境保全空間をつくったり、サービス道路を含めて遮音壁をつくって、大気濃度は問題のない状況まで減らすことができると考えている。地下水については高速部が地下10メートルを通 るが、地下水に影響のないように建設していく。平田緑地の保全では7700平方メートルあるが、蓋掛けで緑化可能の範囲を広げる。また、今後検討していく。クロマツの保全では、菅野地区で190本抵触するが、専門家を入れた委員会で検討している」
 「この計画は最終的なものではない。今後も地域の人の意見を聞きながら、地域に役立つものをつくっていきたい」
 「今後の予定では、幅杭や鋲を打ったりして、2年くらいで用地の手続きや契約を終えたい。また、工事の準備や詳細設計、工事説明会を並行して進めていく」


●菅野1丁目の住民「補償について、完全補償はあるのか。土地収用法でやるのか。また、この道路の影響を受けるのは私たちである。保全や補修の計画を示さないのでは、納得できない」
◆公団「補償に関しては、国土交通省と同じ基準で対応する。法律的には公共用地に伴う損失基準で進めていく。供用後は道路管理者として、建設後も環境などを調査していく。誠意をもって対応していく」


●平田2丁目「スリットからでる粉塵の流れ方を示してもらいたい。この粉塵の吸収をどう考えているのか。菅野駅の線状では駅前広場などを考えられないのか」
◆公団「環境影響評価で粉塵等は予測評価の対象となっていなかったが、県知事や市川市より要望を受けている。スリット部からどう出るのかは、図面 を用意していない。吸収の対策についてはこれから考えていきたいが、いずれも研究段階の途中で、技術的な問題がある。菅野駅については市のまちづくりの計画や地元の考えも入れたものを、これから十分検討して進めていきたい」
●住民「研究途中だから、やらないのか。可能性があるなら、やるべきではないか」
◆公団「今、現況調査をやって、とりまとめをやっている。建設後の予測は、そういうものを総合的なものを考えてやらなければならないと考えている。今の研究がどの程度効果 があるのか、それを見極めてから考える」

●平田「この30年間、不安に悩まされてきた。そのことについて、まず謝罪すべきではないか。この間、商店などは商売が成り立たなくなっており、損害補償などを考えるべきではないか。平成19年に供用するとしているが、できないと思う、その時は誰が責任をとるのか。地域分断はないというが、むしろ地域破壊である」
◆国土交通省「地元に心配をかけてきたことについては、謝罪する。しかしながら、この間我々も放っておいたのではなく、いろいろ考えてきて、構造変更をしてきた」
◆公団「この間の商店などに対する補償はない。一日も早く完成させたい。計画では平成19年に完成を目標に計画を進めているが、皆さんの協力がないとできない。地域分断では距離的に200メートル間隔で歩道橋を設けていく計画にしている」

●外環反対連絡会住民「県の環境アセス審査会の指摘で、SPMや騒音などについて、特殊部について模型実験などをやりなさいと指摘されているが、この5年間何をやってきたのか。小田急電鉄の裁判結果 などもあるように、この5年間、何もやってこなかったのことは、いわば犯罪である。建設費では一般 国道部分で、以前は約4500億円といっていたが、いったいいくらかかるのは」
◆公団「環境アセスについては、環境保全を守るということを確認している。今後、それを忠実に進めて、ボーリング調査や二酸化窒素など、状況把握や資料収集をしている。小田急電鉄の問題は上訴審で審理中なのでコメントできない。平成8年の環境アセスのことでは、SPMについてはこの10月から始めている。歩道橋や遮音壁の位 置等などを検討している」

   外環構造 国道14号との交差、巨大な交差点

 8月9日に開かれた市議会の外環対策特別 委員会(岡部寛治委員長)では、まず、国土交通省が現況などを説明。構造については、須和田地域から、菅野、平田の総武線までの区間、約1.6キロについて、構造などを説明した。また、今年9月にも地元で設計用地説明会を開催する意向が示された。

 大きな問題となっていた真間川との交差では、高速部が真間川の下を通 過、一般部は真間川の上を跨ぐ計画が明らかになった。また、この一般 部と川の側道の高さは約2.5メートルに抑えられ、普通車以下しか通れないことも説明された。
 京成線との交差では、従来から高速部と一般部が地下を通過することが決まっている。
 さらに、国道14号との交差になると、高速部は地下のままだが、一般 部から側道を出して、その側道と国道14号が交差する構造が示された。その結果 、交差点はきわめて大規模なものになり、また、歩行者や自転車は長い歩道橋を渡ることが明らかになった。


外環道路と国道14号との交差イメージ

 委員からは様々な質問が出されたが、ことに、「この中心地域を全線地下にできないか」という質問には、真間川の将来の治水計画で今より川底をさらに3メートル深くする計画があるため、「地下にはできない」と説明。また、「国道14号との交差のためにも、全線地下化は不可能」と答えた。
 その一方では、「平田地区で蓋掛け区間を70メートル延長した。この利用方法については、これから市などと協議していきたい」と強調した。


■委員との主なやりとり

 委員「平田地区の蓋掛け部分を広場的なものとして利用できないか。大気汚染が心配されている」
 国土交通省「蓋掛け部分の利用形態については、これから市や地元と検討していく。大気汚染は広範囲な問題で、今後大型トラックやバスなどが改善される方向になっている。今後も詳細に検討していきたい」
 委員「地域の中でも記念事業的なものとして広場をつくるとかできないか」
 国土交通省「蓋掛け部分や平田緑地の有効利用を、市と一緒に検討していきたい」


 委員「資料の提出など、国は要望をしないと対応しないのか。各地域の用地買収率などはどうなっているか」
 国土交通省「用地の買収は全体的には66%であるが、地域毎の分類については今作業をしているところ。まだ、まとめていない。とりまとめができ次第、すみやかに提示したい」
 国土交通省「市からの要望については誠意をもって対応していきたい。名古屋訴訟については市、県と連携を密にして対応していきたい」
 国土交通省「国としてはイニシアティブをとって、積極的に進めていきたい」

 委員「市からの要望で、いくつ受け入れたものがあるか。7月30日に地元自治会からの陳情があったが、どう対応するのか。知事の姿勢について、住民団体との話し合いをしていないのは、どうしてか」
 国土交通省「この地区で何件というデータはもっていないが、市道の取り付けとか緑地帯など、市川市の了解した形で進めている。地元とはこれから説明する機会を設けていきたい」
 千葉県「外環の整備の促進を要望していく。これは知事の姿勢と一致するんじゃないかと思っている」
 委員「市の要望事項について再度。菅野2、3丁目自治会では、環境について対応方法を示さないと外環はできないと言っている。知事は公約違反ではないか」
 国土交通省「市の要望については各部局毎に調整している。項目的には道路交通 部からが9項目、調整できていないものが2項目ある。地元の陳情にはできるだけ早く回答したい」
 千葉県「公人としての知事と、選挙前に言ったこととは異なるのではないかと思う。公約違反かどうかは、何とも申し上げられない」

 委員「市から要望したことで、重点的なことは何か。計画買収の位置付けはどういうところか」
 市川市「重点的なことは、菅野地区の蓋掛けの延長、真間川の横断の高架の高さを低くする、市道との接続や迂回、付け替えなど、緑地の保全と確保、クロマツの移植などである」
 委員「京成線との空間の空け方はこれでいいのか。蓋掛けの緑地に入るには、迂回しなければいけないのか。真間川高架を潜るには高さの高い車は通 れないのか。計画買収になると、代替地の提供はどうしていくのか」
 国土交通省「京成線との空間についてはこれから検討していける。蓋掛けの緑地に入るのには、14号との歩道橋などどういった利用方法があるか、これから検討していく。真間川の側道は高い車は通 れないが、近くの市道229号で横断できる」
 国土交通省「代替地は2ヘクタールあり、平成14年度から区画割などをしていく」

 委員「平成12年の9分類22項目の関連施設の進捗状況はどうか」
 国土交通省「ライフラインなどは全体計画の中で詰めている。今後、調整していく」

 委員「私はこの区域の構造は全部地下にしたらいいという持論をもっている。国道を抱えていようが、いまいが可能であると思う。真間川のところで、低くなっては困る。これらは浄化装置付きの排気塔をつければできると思う。真剣に検討していくということを答えてほしい」
 国土交通省「今回の構造については、真剣に考えた。その結果、市の道路計画のネットワークなども考えて、市道124号との交差、真間川の渡河などで、地下化は困難という結論になった」
 委員「この1.6キロ区間に限っても、完全地下にすると、いい道路になると思う。是非、検討してもらいたい」

 委員「松戸市内の用地未買収が2%残っているが、どうしてか。環境が悪化した場合、誰が責任をとるのか、本当の数字を公表すると、外環に影響するからできないのではないか。「完全地下化はできると思う」
 国土交通省「松戸の2%はいろんな事情がある人いて、残っている」

 委員「この中心地域の買収率はどうか。クロマツの移植では過去の事例があるのか。真間川の渡河ではどうしてこうなるのか。菅野に計画される管理施設はどういうものか」
 国土交通省「中心部の買収率は、資料を持ってきていないので、答えられない」
 国土交通省「クロマツは約190本抵触するが、残せるものはそのまま残し、工事などで掛かるものについては移植する、移植の事例は過去に数件あると聞いている。真間川については将来の時間当たり75ミリ対応の治水計画で、川底を今より3メートル掘り下げる計画があり、そのために、地下を潜れない」
 日本道路公団「管理施設は管理用車両の駐車場や混雑状況の把握施設などで、これから近隣の人に説明していく」

 委員「SPMの調査はどうなっているのか。高谷ジャンクションの委員会の経過はどうか。道路自体の治水対策はどうなのか」
 国土交通省「SPMの調査については、できるだけ今年度中に調査に着手したい。4季必要なので、結果 が出るのは1年後になる。高谷ジャンクションのダイオキシンの問題は秋頃には結果 を出して、検討していきたいと考えている」

 委員「国道14号の歩道橋はどの位の長さを歩かなければならないのか。国道部分は混雑が予測されるが、どうか」
 国土交通省「歩道橋の勾配は8%とってあり、階段が75メートルだから、約210メートル位 になる。何カ所か踊り場をつくっていくが、歩道橋については今後検討していく。一般 部の混雑については、市川の道路のネットワークなので、今後、渋滞は起こらないと考えている」

 委員「6分類の要望で、処理の内訳はどうなっているのか。防火水槽など市の負担増になるのではないか。今後、計画に変更があった場合、地域への説明の仕方はどうするのか」
 国土交通省「要望項目について、どこまでできて、何が不可能なのか、報告の仕方を今後工夫していきたい。市の負担増にならないように、外環で最大限負担をしていきたい。地域等への再度の説明は、地域からの要望によって、こまめに地域にでかけている」

 委員「図面でみると、きれいに見えるが、実際は違ってくる。住民の生活を考えた道路計画にしてほしい」
 国土交通省「人間の生活について考えろということだから、十分、検討していく」

 委員「管理施設については近隣に説明したのか。環境アセスの予測が狂ったときは、誰が堰に意をとるのか、なぜ、もう一度アセスをやらないのか」
 日本道路公団「管理用施設について、詳細は決まっていない」
 国土交通省「国としては環境基準を守っていく。もし、狂った場合は、さらに対策を進めることになると思う」


   外環問題 市内北部で設計用地説明会を開催

 24日午前10時から行われた外環道路の北国分、中国分、堀之内地域の住民に対する設計用地説明会は、通 例通り、最初に国土交通省から、外環計画の詳細設計や用地買収に関する説明が行われた。この説明などに1時間20分ほど費やしたため、住民との質議応答は約40分。しかし、小塚山市民の森など、問題を多く抱える地域だけに、多くの手があがった。

 ことに問題となったのが、ある主婦が出した「この地域の外環計画の全体像がわからない」という質問。この地域には成田方面 から来る北千葉道路の構想があり、ここで外環と相互乗り入れする大規模なジャンクションが構想としていわれていた。しかし、この日の図面 には北千葉ジャンクションがなかったため、他の住民からも「北千葉ジャンクションがない説明会は、説明会になっていない」と強い指摘があった。国土交通 省は「北千葉道路の計画が、まだ事業主体も決まっておらず、計画も決まっていない」と答えた。しかし、住民は「以前の地図にはあったのに、今回の図面 にないのはおかしい」と詰め寄った。国は「北千葉道路からのランプは1本は高架だが、他の3本は地下をもぐる。そういう計画にはなっている」と答えた。

 このほか、住民からの主な質問では「環境問題がほとんど答えていない。改善策がとられていない。埼玉 外環の状況をどう説明するのか。小塚山の森を60%も開削工法で行うのか」という疑問に対し、国は「埼玉 外環の交通量については、当時、3つの環状道路が開通する見込みで立てれたもので、その2つがまだできていないから、若干、外環に流れ込んでいるのではないか」と答えた。小塚山については「5割は開削でやりたい。また、薬注はやらないことを考えている」と答えた。

 この小塚山については、「さきに市が受け入れの条件として非開削で行うことになっていたのではないか」という質問も出され、また「ここは市の行政財産で、売ったり貸したりはできないのではないか」という質問を出された。
 これに対し、市川市は「当時は、環境や自然をできるだけ守るというのは条件であって、今回の計画はこの条件にあったものとして、市も了承した」と述べ、また行政財産については「一旦、普通 財産にして、それから国に買ってもらい、また、その後は市が公園として占有することになる」と答えた。これに対しては「市の財産を勝手にそういうことができるのか」という反発の意見もあがった。

 この地域は大掛かりな遺跡の発掘が行われ、この本調査に約10年かかるともいわれているが、この日の説明会の質議では時間切れで、この問題までには至らなかった。しかし、この遺跡問題は、今後、国が外環事業を進める上でも大きな障害になることは必至となっている。