昭和33年10月(5号)


【裏面】

私学の強み

校長 古賀米吉     

 文明国の中でも、文化の進んだ国ほど、私学は発達する。日本の中でも、文化の進んだ地域ほど、私学は発達している。文化人のすくない所に、私学が発育成長したためしが殆んどない。
 わが千葉県の如き、東京都に近いとはいえ、文化的には、半島か島であって、未だに官尊民卑sの弊風強く、一向に私学の重要性を認識しない。これを認識しても、その対策を知らない。等しく県内の高校生にして、県立高校生に万を与えて、私立高校生に百を与ゆることを惜しむ。かかる冷遇にも拘らず、我等私学人は、わが道を歩いて、遜色のない成績をあげる。
 どうして、こういうことが可能であろうか。それは人の力であり人の和の力である。学園内に於ける生徒相互の和、生徒と先輩の和、教師と卒業生の和。この和こそ、私学唯一の宝、私学の強みである。


昭和32年の校舎全体。創立20周年記念に撮影されました。

◎学園運動部大活躍

本年は各運動部の当り年、主なところを御紹介いたします。
篭球部は県下高校選手権大会に於て優勝、千葉県代表として全日本高校選手権大会に出場した。更に10月中旬には関東代表として国体に出場するなど快挙の連続である。
野球部は春季西部高校大会で通算4度目の優勝、軟式野球部は千葉県大会で優勝。春には全関東大会に夏には全日本出場を賭けて南関東大会に活躍したが惜敗した。
陸上競技部は関東高校陸上競技大会に於て、200米、800米継走に出場、大いに気を吐いた。
相撲部は努力が実り、この国体に選手1名を送る予定になっている。

◎お願い 来年3月高校及び中学予定者の中に就職を希望する生徒があります。諸兄の御知り合いで、求人される方が御座いましたら、何卒御世話下さいますよう、よろしく御配慮の程、御願います。

33年度学園入試

 高校は募集人員150名に対し、志願者は834名で、競争率は約5.5倍となり、昨年の4.6倍を上回るものだった。
 中学の入試は250名の募集人員に、300名がつめかけ、競争率は1.2倍となった。

◎33年度大学進学

東大2、東工大、東北大、教大各1、千葉大6、早大10、慶大6、中大14、明大26、法大9、日大13が主なところ。

本学園は目下発展の一途を辿っております。教育内容の充実はもとより、校舎及び県下有数の体育館の新築、更には便所は全て水洗式にする等、諸設備も一段と整い、今や一大学園へと成長いたしました。これも校長先生始め諸先生、及び諸兄各位による常日頃の御協力の賜物と心より感謝いたしております。何卒今後も一層の御支援の程お願いいたします。