同窓会便より 第7号 1973.10.20


 ご挨拶

名誉会長・学園長 古賀 米吉    

 諸君、ご機嫌いかがですか。近頃、世の中が大きく変わっていくようです。社会でご活躍の諸君は、激しく揺れる船に乗ってるような感じではありませんか。慎重に放胆にご活躍なさるよう願います。大学在学の諸君に対しては落ち着いて勉強が出来るかなと案じています。どうぞその青春を尊重して下さい。ご心配をおかけしました私の病気は、足の痛みをのぞいてはほぼ全快しました。歩行が困難ですから今のところ日勤はさけていますが、用があれば出校します。延ばしました35周年記念行事は11月8日と決まりました。どうぞ奮ってご来会ください。
 学校の現況について一言――高校中学約3000人、幼稚園・英語学校約600人、教職員等約150人、大きな世帯になっています。卒業生の数は昭和48年3月調、延12,361名、これ又大きく膨れ上ったものです。ついでながら、私学特に地方私学は物の点で心の点で経営が甚だ困難になっています。私学がつぶれると愈々公学一辺倒となって国をあやまる恐れがあります。35年前由緒ある八幡の里に蒔かれた私学の一粒、現在すくすくと成長しています。諸君、力になって下さい。これを大きく育て上げてゆくつもりです。


昭和45年頃の古賀校長


 母校創立35周年を迎えて

同窓会会長 山本 幸雄    

 創立35周年記念行事が今秋盛大に挙行されることが何よりもうれしい。
 名誉会長古賀校長先生は、昨年6月以来のご病気、ご怪我が内科的にも外科的にも快癒され、最近では学校行事にはご出勤になる。まことにうれしい。大病を征服された先生には今後もますます、米寿、白寿をお祝い下さるよう、われわれ同窓生一同、衷心より先生のご壮健をお祈りしたい。
 35周年記念式典、祝宴(別項記事参照)は学校法人・後援会・同窓会の協賛により来る11月8日(木)に行なわれる。会員諸兄にはご参会の上、母校35周年の発展を祝賀下さるようお願いする。
 昨年来募金の35周辺記念寄附金は諸兄のご協力により、別項の通り多額の寄附があり、ご寄附下さった諸兄に御礼申上げる次第である。この寄附金は新理科室の諸施設の一部として、母校の教育に活用されることとなる。
 今年の定例総会で別掲の会務報告にある通り、諸件が審議・承認をされた。会則改定については、同窓会が健全な運営を計り改定されたものであり、毎年の刊行物発行、5年毎の会員名簿発行は勿論、本会の事業が着実に運営できるよう配慮されている。
 母校の今後の発展を希い、諸兄のご協力を得て、同窓会のため尽力する所存である。


―48年度大学合格状況―

 国公立大学(18名) 東京1、北海道1、千葉5、東京芸1、東京工1、東京学芸2、横浜2、秋田、山形、茨城、群馬、埼玉 各1
 私立大学(552名) 早稲田20、慶応8、明治26、法政25、中央34、立教12、上智4、青山11、学習院7、東京理科8、東海18、日本69、駒沢22、独協30、東邦2、国学院16、日本歯科1、東洋22、千葉工8、専修13、東京電機8、明治学院13、立正8、工学院6、明星10


【2】

 会務報告
○同窓会総会
 7月28日(土)午後3時より、市川学園講堂で開催。
1 47年度経過報告


古賀米吉先生 近刊書紹介

 仰臥漫筆  ―生徒諸君に―

 「仰臥漫筆」は、「生徒諸君に」という副題の示すとおり、一カ年に近い御病気が快方に向われた先生の思いは、5月に起稿、7月に公刊されたものである。先生の人間観、教育観、私学精神が、系統的組織的に、文庫版100ページに凝縮されている。(稲田伊之助記)
 古賀校長先生は、本年7月19日、病後はじめて第1学期終業式にご出勤になったが、当日「快気祝」として全生徒に配られた。また、その後先生とご縁の深い方々に贈呈され、大きい反響があった名著であります。


 古賀米吉先生 近刊書紹介

 私学教育に明け暮れる B六版、340ページ 新紀元社発行 実費送料とも1,200円

(編集に尽力された母校国語科稲田伊之助先生に解説・紹介の執筆をお願いしました)
発刊にいたるまで   稲田伊之助
 福岡県のかたいなかの小学校に学んだ少年の日のこと、中学、師範、外語、東大、そして遠くアメリカ、イギリスに留学、広く師を求め友を求め、深く自ら学んで、校長先生が自己形成にいそしまれた修学時代の数々の思い出。学成って教え、教えて足らざるを感じては学ぶ。昭和12年、市川学園の創立となってここに36年。そして今日の学園がある。さらに、社会科学の学徒としての蘊蓄は、市川市を中心に、社会教育委員長、市川善行会長、江戸川を守る会委員長として、青少年の倫理化をすすめ、江戸川の汚濁をとどめ、広汎な方面にわたっている。
 学園の出版委員・図書委員、さては社会教育関係の各種機関誌や新聞に求められて、先生はそういう思い出や抱負を寄せられた。透徹した論説、滋味あふれる随想は、こうして生まれた。同窓の皆さんが学園新聞や京葉市民新聞等でよまれた文章もあろう。それらの中から158編をえらんで「私学教育に明け暮れる」は成った。この書は、学園の歩み、校長先生の教育理念とその実践、さらには社会事業、社会教育の計画と遂行の内面的記録として、学園の35周年を記念する意義深き事業であろう。関係の方々がこういう趣旨で校長先生にお願いして、この一書を編集発刊することになった。
○実費頒布について
 限定出版であり、同窓会会員でご希望の方に実費頒布をしていただくことになりました。左記要項によりお申込み下さい。11月8日(35周年記念式当日)以後に発送いたします。
 申込要項  略